メールボムなんて,甘い甘い。実際にあなたのパソコンに,爆弾を送り込んであげよう。発火し,爆発し,延焼する,爆弾を…。物理的な破壊に勝る破壊は,ないんだから,ネ。
元海軍エンジニアのデビッド・シャリナー氏がInfowarCon '99カンファレンスでデモした結果,その高エネルギー無線周波(HERF)放射装置は,6メートル先にある2台のPCをフリーズさせ,再起動に追い込んだ。HERF銃は,端的に言えば20メガワットの雑電波を一斉にアンテナから発信するもの。シャリナー氏は,ハードウェアショップを回って500ドルも費やせば,実用的な電子兵器を作成できることを証明した。
なんとも不格好な機械ながら,威力は抜群。もっと小型化されて,もって高性能・高機能になれば,他人の家の窓の外から狙いを定めて発射することで,マシンがオダブツ,ってことになりかねない。どうでもいい話だが,私の使っているマシンの薄い壁1枚隔てた向こうで,電子レンジを使いはじめたやつがいて,電子レンジが動き出すたびに画面がブルブル震えたものだ(T_T)。HERF銃のような雑電波や,異質な電子エネルギーを集めて,直接向けることで,コンピュータはあっさりと使い物にならなくなる。
だが,もう一歩進んで,ネットワークを利用して物理的な破壊を行う爆弾を送付する可能性を考えてみる。現在のウイルスやワームなどは,所詮ソフトウェア的な破壊でしかない。最悪の場合でも,BIOSの操作で復旧できることがほとんど。そうではなく,物理的に破壊する方法は? たとえば,CPUの処理を極限まであげ,熱暴走を誘い,冷却装置の冷却速度を超える加熱から発火させることは不可能だろうか? あなたのパソコンが,壮絶な爆音とともに,爆発する,そんなパラサイト・ボム・クラックは,あり得ないだろうか?
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